一途愛
一途愛
私は貫を産んで しばらくしてやっと
目を覚ました。


何ひとつおぼえていない
目を開けてみた 真っ白な天井

それからハッとしてお腹を触ると
ぺしゃんこになっていて


それが夢なのか現実なのか
パニック状態になって大暴れした。

お腹に最初から子供がいなかった?

いや子供がいたけど・・・どうして今 いないんだろう・・・。


しばらくしてパパとママがやってきた。


「ママ~~赤ちゃんが・・・赤ちゃんがいないよ!!
ここにいたよね?いたでしょ?」

「落ち着いて 姫・・・・。
落ち着きなさい・・・・。」


「どこやったの?死んじゃったの?」


ママにしがみついた。


「姫!!!」


私はその声にふり向いた。

「龍・・・・?何で?まだ夢見てんの?」


龍は何かを抱いていた。


「姫 おはよう。長い休暇だったな。」


目に一杯涙をためて龍が震える声でそう言った。


私はパパとママの顔を見て
「どうして龍に言っちゃったの?」というと

龍が

「迎えに来たんだよ。早く帰ろう。
俺たちの家に……。」

そう言うと抱いていたものを私に抱かせた。

「え・・・・。」

そこにいたのはスヤスヤと眠るまんまる顔の赤ちゃん。

「頑張ったんだよ姫…。ちゃんと元気な赤ちゃん産んだんだよ。」
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