繋いだ手
サプライズバースデーを決行するために、


言い出した善が中心となり近頃は、いつもに増して、

時間外も、みんなが集まっていた。




元々、仕事上がりや、
定休日前夜は、


店の仲間で、

居酒屋、
宅飲み、
銭湯、


麻雀にドライブ、

パチンコ…。



幅広いジャンルで、

上と下の年齢差は、

14程あったけれど、



特に気にすることもなく、よく遊びに出回る。



それが、サプライズパーティーに向けて

更に、集合密度が上がった。



それを切っ掛けに、

善と、あたしも、

よく話しをするようになっていた。



善は、


ボスが乗ってる車の

プラモを作って、


当日ケーキと共に乾杯しようと提案した。



「りおさん、時間ある?」


あたしが、お悩み相談センターに切り替わる合い言葉が、


善から漏れる。


今日は、

プラモの最後の一部を


善が、完成させた!
というんで、


受け取るだけのつもりで、
さっき急いで、
お互いの都合を合わせて、

今、

コンビニの前で落ち合った。


あとは、


あたしが持ち帰り、
ラッピングして、

当日を待つのみ!


用件のソレは、


車の中で1分もしないで片付いた。


そのあとの、


≪時間ある?》


の号令だった。



一服しながら、

飲もうと思って買った、

缶コーヒーの一本を、


善に手渡した時点で、


あたしの、

OKサインが伝わる。



コーヒーを、


ごくりした後に 吐いた、


善のため息は、


それと共に、
彼の中に溜め込んだ、


心の声を吐き出した。


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