繋いだ手
【16:42 今日、何か予定ある?】


善からのメール。


善のソレに、あたしは無理にあわせているのではなく、必要とされていることで、自分のバランスがとれている。


【17:16 無いよ!今日もモスるかぁ!】


こんな具合で、お互いの仕事と仕事の、合間に、



近くのハンバーガー屋に、お世話になる日々が、ほぼ、毎日続いた。






そして、週末、

とは言っても、あたしたちの仕事は土日がメインの職場だから、


ここでいう「週末」は、稼ぎ時を終えて一段落の月曜日、つまり、『あたしたちの週末』だ。



またあたし達は同じ時間を過ごしていた。


夕方に、待ち合わせて


最初に向かったのは、


ここから5つ先にある街の

ラーメン屋だった。



職業病の一つでもある。


とにかく、


二人の中で話にあがった店は、



目的地のないあたしたちにとって、


丁度いい目的になる。



そういう場合は大抵、


行ってみることにしている。



美味しいラーメンを求めて?!


高速に乗り、


小雨の後の、


ちょっと霧かかる道の中を


1時間かけて。
< 29 / 71 >

この作品をシェア

pagetop