現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「理緒ちゃん。流依ちゃん。森が見えてきたわ」


「ここに、幽霊屋敷があるんだね!」


興奮した様に声を上げたかと思うと、理緒は急に走り出した。


「ちょっと、理緒。待ちなって!」


「理緒ちゃ~ん!」


流依と優梨は、走って理緒を追い掛けた。


しかし、なかなか追い付けない。


二人が、そう思っていた時…。


――ツルッ。


「ひゃあ!」


――バタンッ。


ツルツルに張った氷で足を滑らせ、理緒は派手に転んだ。


「理緒!」


「大丈夫~?」


流依と優梨が、理緒に駆け寄る。


「痛い~!」


理緒が涙目で、お尻をさすっている。


「立てるかい?」


「うん」


流依に手を貸してもらいながら、理緒は立ち上がった。
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