現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「それじゃ、このオルゴールもデタラメを信じさせるために、渡したって事かい?」


不機嫌そうに、オルゴールを掲げて見せながら、流依は女の方を見た。


「それは…」


「どうなんだい?」


「恋愛で悩んでいる人には、『好きな異性と2人きりで恋愛魔曲を聴くと恋が必ず叶う』って言って、それを渡せって書かれていたのよ」


「書かれていた?」


悟志達が、眉を顰める。


「何に、何に書かれていたんだい?」


「手紙よ」


「手紙?」


「ちょっと待って」


そう言うと、女はテーブルの引き出しを開ける。


そして、中から一通の封筒を取り出して、少し乱暴に流依に渡した。
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