現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「どうするのぉ?」


「逆に、チャンスかも知れないよ」


戸惑っている理緒とは対照的に、流依は落ち着いた様子で答えた。


「チャンス?」


「この部屋、調べるなら今のうちって事」


部屋の中へ視線をやりながら、流依は理緒に言った。


「そっかぁ!」


「そう考えたら、来た甲斐があるな」


理緒と幹彦が、嬉しそうに流依の方を見る。


しかし、純輝は急に俯き、小さな声で呟き出した。


「な、何か危険なものが…、で、出てくるに決まってるよ。や、やめようよ…」


「沖本。アンタ、ここで待ってるかい?」


「え、ええ!?ひ、一人で部屋の外で待つのは嫌だよ!」


「じゃあ、行こう?ね?」


「あ、ああ。そ、そうだな…」


理緒に上目遣いで見詰められ、渋々、純輝は頷いた。
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