現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「悟志君、ちょっと待って!」


急に制止した理緒の方へ、一気に視線が集中する。


「草壁、どうした?」


「あたし、あの占い師の部屋に入った時に…」


理緒が、青ざめた様に俯く。


それを見て、流依達の間にも緊張が走った。


「寒気がしたの…」


「あっ!」


理緒の言葉を聞いた瞬間、流依は急に目を見開いた。


「黒須も、草壁と同じなのか?」


「あ、ああ…」


悟志に訊かれて、急に顔色が悪くなった流依が頷く。


それを見て、悟志は考える様な顔をした。


「二人ともって事は、その部屋の中に、幽霊がいた可能性が高いな」


「え?」


「じゃあ、やっぱり…」


「昨日、木下が言った通り…」


「その占い師が、幽霊なのか?」


全員の視線が、一気に悟志に集中する。
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