かけがえのない宝物
警官の取り調べを受けた俺は全て正直に話した。
煙草はもうやめていたが、その事も話した。
するとお巡りさんが泉に電話する事を許してくれた。
プルルプルル
『聖也?どうなっているの?』
泉の心配そうな声。
『泉…ごめんな。俺、悠太が怪我した時の抗争に加わってたんだ…それで相手の…っうっ』
涙が出てきた。
『もう何も言わなくていいよ。聖也はちゃんとした道を歩み始めたもんね。』
泉は優しく言ってくれた。
俺は溢れ出る涙を止める事など出来ず、精一杯の気持ちを込めてこう言った。
『泉…ばっででぐれ。(待っててくれ)』
『うん。待ってる。どんなに長くても待ってるから』
泉は俺が一番聞きたかった事を言ってくれた。