俺様生徒会長
もぉーーーのすごく可愛いのっっ
 肩までの長さのキャラメル色の髪で、顔は色白。
 パッチリな目で、世間で言う“美少女”の言葉がぴったりな子だよ!
 うらやましい…
 うらやましすぎます、桜花さん。
「おーい?ぼけっとしてる遅刻するって!この車に乗りなよ」
 えーーっっマジですか!?
 これで遅刻しなくてすむよぉ…
 では、お言葉に甘えて…
「お願いします」

__ガチャッ

 わぁ…相変わらずすごい車だな… 
 桜花は化粧品会社の社長財閥令嬢なんだ。
 だからこんなにすごい車に乗ってるんだ!
 シートは高級感あふれる黒いつやつやした布地で、とっても広いの。
 庶民の私からしたら、この広さ……人が住めるんじゃ?ってくらい…。
「美奈、ついたよ。降りないの?」
「あ、ごめん。考え事してた。」
 えー…車から降り、高校を見て一言。
 広すぎます。
 ここ、日本ですか? …日本ですよね…。
 校舎もキラキラしてるし…。
__ピンポンパンポーン
『もうすぐ入学式が始まります。新入生は体育館に集まってください。』
「集合かかったね。早く行かなきゃ」
 ぐいっと私の手を引きながら、スタスタと歩いていく。

 桜花って社長令嬢なのにサバサバしてるっていうか…。
 お嬢様らしくないんだよね。
 …でもそんなところが桜花のいいところなんだけどね。

 ぞろぞろと体育館に人が集まってくる。
『…-えーこれから入学式を始めます。まずー…』
 アナウンスの声が聞こえるとザワついていた体育館内が静かになった。
 朝、寝不足だったし、少しくらい寝てもいい…よね?
ウトウトしかけた時、
「「「「キャーーーー」」」」
という声が。
えっ??なになに? 『では、最後に生徒会長からの話です。』
え?会長がどうかしたの?!
「ねぇ、美奈、あの人かっこよくない?!」
えぇー…そっちで叫んでいたのか…



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