サンドグラス ~アルツハイマー闘病記~
 「今日はこれで解散にしよっか。

 でも、今日の言った事は

 前向きに考えといて。

 返事は明日でも

 1年後でもいいから…。

 いい返事待ってるよ。」

と、純一は有喜の怒りを優しく包む。

有喜も純一の言っている事が

間違っているとは思っていない。

むしろ心の中では喜んでいるのだが、

仕事を考えると前に進めない自分がいた。

何で私、

女なんだろう…。

部屋に帰り有喜は一人で、

部屋にボーっと立ちつくす。

結婚と仕事、

天秤にかけたら、間違いなく

仕事が勝つ…。

今日はちょっと言い過ぎたかな…。

ごめんね純一…。

でも、私の気持ちも

少しはわかってね。

今はまだ結婚は出来ないの。

せめて今の仕事場が

一流企業へと定着するまでは…。

後何年かかるかなぁ~。

普通の女の子なら結婚なんて、

夢のような話で、すぐに飛びつくのだろうけど、

仕事を持つ女にとっては、

一大決心というか…。

いずれは結婚したいんだけど、

今はいまいち踏み切れないのよ。

誰か背中を押してよ!!

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