彼氏は可愛い年下系
厨房の中に入っていく悠希君を見て、頭がうまく回らなかった。




言葉も、なんにも出せない。




悠希君しか、見えない。




「……彼氏?」



「……」




そう聞かれ、ゆっくり頷く。




恭哉さんは、沈んだ声でそっかと言う。




「俺、悪い事した…よな」



「いえ、あたしが……悪いから…」



「うーん、俺がちょっと喋りすぎてた」



「違います…」




恭哉さんは、なんにも悪くないのに。




あたしが全部悪いの。




ぎゅっと拳を握る。




「……彼氏、もうバイトあがるんでしょ?」



「えっ?」




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