胸の音‐大好きな人へ‐

サンタの格好した彼女の髪は、入念に巻かれている。

こんな化粧濃いサンタいるわけないだろ。と心ん中でツッコミつつ、パチンコ屋も客引きのためにああいう女雇うんだーと考えてたら、その女と目が合ってしまった。

やばい。見つめ過ぎた!?

ストーカーって勘違いされたらどうしよう。


パニクって外に出ようとすると、

「圭!?」

よく知る声が、背中越しに聞こえた。


うるさい店内なのに、俺の耳はそれを聞き逃すことはなかった。

心理的に長かったこの数日の間、ずっと聞きたかった声なのだから……。


春佳……だよな?

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