胸の音‐大好きな人へ‐
春佳は目を見開いて俺を見てる。
通りすがりのサラリーマンも、関わりたくないって目で俺達をよけていく。
春佳がびっくりするのも無理ない。
こうやって春佳に対して感情全部さらしたこと、今までなかったもんな。
ごめん……。
春佳のすること全部を許せるような寛大な男になりたかったけど、そうなれそうにない。
口が止まらない。
「しかも、どうして距離置いてる間にそんなに変わっちゃってんの!?
悩んでたんなら相談してくれればいくらでも聞いたのに、何で連絡くれないんだよ!
どんだけ心配したか分かってんの!?
俺のこと嫌いになったなら、ハッキリ言えよ!
距離置くなんて、なんでそういうやり方しかできなかったんだよ!
どうしてっ……。電話もメールも返してくんないの?」
「……距離置くって、そういうことじゃん」
春佳は俺の最後の質問にだけ笑って答えた。
今まで見せてくれてた微笑みと違って、どこか諦めの色が浮かんでる……。