胸の音‐大好きな人へ‐
――春佳へ
3回目だな、一緒に過ごすクリスマス。
春佳の表情を思い描いて、今日もメールを打つよ。
単純作業のように見えて、恋愛感情だけで動いてる。
開いたケータイ。
画面の向こうにいる春佳の寂しさ、どうしたら埋めてあげられるんだろ。
俺にもあるよ、寂しい時。
会いたくて、抱きしめたくて、夜中なのに駅に行こうとしちゃったり、講義中なのに電話しそうになったりさ。
でも、心配いらない。
胸にあるたしかな絆が、お互いを強くしてくれてる。
これからはもう不安にさせないって言いたいけど、知らないうちにまた傷つけることもあるかもしんない。
その時は謝るから、話し合って前に進も?
顔が変わっても、春佳は春佳だ。
一重から二重になったまぶた。
冬にはカサつく唇。
人のために熱心になれるとこ。
馬鹿過ぎる俺をまだ好きでいてくれる優しさ。
春佳を形作ってる全てが愛しい。
寂しかったら、我慢せず言ってな。
会った時に、いっぱい甘えさせてやる。
この前ゲーセンで見かけたウサギのマスコットも、絶対取ってやる。
かっこつけるクセが抜けなくて戸惑わせるかもしんないけど、もうウンザリって言われるくらい好きって伝えるから。
もう、絶対、一人で泣くなよ。
名駅のイルミ、今年も一緒に見にいこな。
大好きな人へ。
圭――
メッセージを書いたクリスマスカードを春佳に渡した日。
残念ながら愛知は晴れてホワイトクリスマスにはならなかったけど、北海道と東北では空一面に真っ白で綺麗な雪が降ったそうだ。
【完】

