胸の音‐大好きな人へ‐
遠距離恋愛はいつかつらくなる時が来るって、引っ越す前に想像できてた。
会いたい時に会えないし、メールや電話じゃ埋められない寂しさも正直あるし。
春佳に会いたくてたまらず、眠れなかった夜がいくつあったかな。
「春佳。不安にさせてごめん。
今までいっぱい傷つけてごめんな」
カッコ悪くてもいい。
他のヤツらにダサダサの男ってバカにされても、春佳を全身全霊で愛せる男でいたい。
ううん、いるって決めた。
「春佳。笑わずに聞いてな?」
「なに?」
「今まで、俺は……」
元カノ·藍との出会いから別れまでの経過を話すのは無神経だよな。
でも、これからは2人の間で隠し事はナシにしたい。
俺の今までの行動や、内心は恋愛事でもがいてたことも、全部、話すことにした。
その勇気をくれたのは他でもない、背中に回された春佳の両腕。
……もう二度と抱きしめ合えないのかもっていう真っ青な恐怖。
……冬景色の中で涙がこぼれるほどホッとした柔らかい気持ち。
この先何かがあって春佳とダメになりそうだと思ったら、それらを真っ先に思い出そう。