ラブラブ☆レッスン
「姫埼さん、お詫びに学食でおごらせてください」
「ええっ?!」
どこまで律儀なのだろうか。
だから人気があるのかもしれない。
「実紅ちゃん、寿先生は一度言ったら相手が折れるまでしつこいわよー?」
「先生がそう言ってくださるなら…お言葉に甘えさせていただきます」
食費も浮くし、なにしろ少し先生と話してみたいと思った私は
寿先生とお昼を食べることにした。
学食に向かっている最中
「姫埼さん!!」
私を呼んだのは先生ではないとわかった私は後ろを振り返った。
「はい?」
「体育の時、俺が蹴ったボールが当たったんだ。おでこ腫れてるね…ごめん」
そう言って頭を下げてくれたのは隣のクラスの
バスケ部エースの向日亮(ムカヒ リョウ)くんだ。彼もかなり人気のある男の子だ。
「亮くん、気にしないで。大丈夫だから!」
「ありがとう。これからは気をつけるよ。寿先生もすみませんでした。」
彼は去り際に私に
「今日の放課後…教室にいて」
と私にしか聞こえないように言い、走ってどこかへ行ってしまった。
「さあ姫埼さん、学食につきました。お好きなものをどうぞ」
先生は本当に奢ってくれるらしい。
私は大好物を食べることにした。