恋してHoney!?【短編】
喪失感と焦燥感。
そして、怒りが沸々と込み上げてくる。
「きゃっ」
すぐさま、ボクはキミの腕を引っ張り、男から奪いとった。
キミを腕の中に閉じ込め、ボクはあの男と目と目の攻防戦を繰り広げる。
しばらくの後、
「もう、いいよ。おまえにあげる。今のキスも無理矢理だったし、真実は全然応えてくれなかった。もうオレらは戻れないってよくわかったよ」
男はそう言ったかと思うと、右手をひらひら振りながら去っていった。
「‥…神崎くん、ごめんね?」
ハッとして声のした方を見ると、キミがボクの腕の中から見つめていた。
それを見た途端、ボクの中で何かが弾けた。
気付いたら、キミを空き教室に連れ込み、壁に押し付けていた。
カチャリと鍵を閉める音がやけに大きく響く。
「な、何?神ざ……」
震えた声でそう言うキミの唇に自分の唇を押し付けた。