先輩と後輩の**つめの季節



<(あー楽しい)まぁ浮気も心変わりもしませんよ、真面目に勉強して早く受かって夏美といてぇ~>


<おう、待ってるよ。>


<おうよ>


<おう>


<おうよ>


<おう>


<…ちゃんと頑張るからたまには会ってね?>


<へ?>


<夏美に会えないのは夏美が平気でも俺が辛いから会ってね>

お願い なんて言う声は電話越しだからかいつもより低く優しく穏やかで


寂しくて、電話切れなくて、とりあえず変なやりとりしちゃったくせに寂しいなんて言えないの、バレバレなんだなって




だから佑樹は「会ってね?」なんてお願いしてくれてるんだ。




佑樹はいい男になったなぁ。
優しくて甘い、でも力強い声は


<私も…寂しいので是非>


<ん。じゃあ明日は?俺授業午前だけだし、夏美もだろ?>


<…私もっ。>




なんだか鼻の奥をツンとさせる



<夏美…>


<ん?>






認めるのはなんだか悔しいけど











<好きだよ。>


<っ…わたし、も>




すこぶるいい男になった。



身体中が甘く癒された私は

大学受験が全て終わるまで
あと4ヶ月と少し

それどころかこの先に待つなにかしらの出来事も全て

やり過ごせる程に元気になってしまったと思う。







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