しゃぼん玉

ミズキ達と別れたリクは、メイを待たせている先程のファーストフード店に戻った。

メイは、ミズキとマナのことなどもうとっくに忘れているような感じで、

「遅いー」

と、うらめしそうにリクを見た。

リクは軽く謝りながら財布を取り出し、

「せっかく来たし、なんか食ってく?」

「てりやきバーガー……」

メイは無関心そうにレジの方を見た。

「メイ、昔からそればっかだな。

わかった。ちょっと待ってろ」

リクはメイのためにてりやきバーガーセットを購入し、自分が食べるチーズバーガーセットも一緒に頼んだ。

メイはそれに対して礼を言うことはなかったが、リクはさして気にせず、そんなメイを嬉しそうに見ていた。

メイがここでこうしてる間は、翔子の攻撃の的にならずに済むから。

なにより、リクはメイとこうしていられるのがすごく嬉しかった。

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