しゃぼん玉

そのあと、ミズキの部屋に菜月がやってきた。

「ミズキ、入るわよ」

菜月は、岐阜の親戚から送られてきたという柿をむいて持ってきた。

「秋といえば柿よね」

そう言いながら、小皿をミズキに差し出す菜月。

ミズキは微笑して、それを手にする。


「ミズキ。最近元気ないけど、何かあったの?」

“お母さん……”


いま、ミズキの頭の中は、穂積メイのこととナナセのことでいっぱいだった。

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