しゃぼん玉

“穂積さんは、夜ご飯ちゃんと食べたかな?

こう思ってしまうことも、穂積さんからしたら偽善になってしまうのかな?


私が学生じゃなくて、臨床心理士だったら、偽善者と思われずに穂積さんの心を開くことが出来たのかな?


もしかして私は、臨床心理士には向いていないのかな……”

まだ叶えてすらいない夢に、ミズキは自信が持てなくなりそうだった。


小学生の時から、友達やクラスメイトに何かと相談を持ちかけられていたミズキ。

「ミズキちゃんに話すとスッキリできる」

みんな、そう言ってくれた。

マナもそう言ってくれたし、

「ミズキちゃんって、そこにいるだけでホッとできる」

とも、言ってくれる。

ミズキ自身、それに喜びを感じていたのだけれど……。

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