しゃぼん玉

メイも、滝川家に泊まらせてもらうのが一番気が楽だった。

メグルの祖父母は、どちらもとても優しい。

しょっちゅうこうして泊まりに来るメイを、あたたかい料理でおもてなししてくれるし、メイの家庭の事情を察しているだろうにも関わらず、詮索してこない。

メグルだけじゃなく、祖父母までもが、

「ゆっくりしておいき」

と、メイに優しい眼差しを向ける。


リクの両親と大違いだった。

あそこはメイにとって、居心地が悪かった。

あわよくばリクの自宅で財布の一つでも盗んでやろうと考えたりもしたが、あの両親を相手にそれをするのはやめた。

ややこしくなるだけだろうから。


リクはなぜだか、しきりにメイの世話を焼きたがるけど、リクの両親はあきらかにメイを敬遠していた。

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