しゃぼん玉
ナナセは今日も、市内のスポーツジムにいた。
入会してもうすぐ三ヶ月になる。
これがナナセの、ミズキへの隠し事だった。
メイがミズキを脅迫してきた時、ナナセは自分の貧弱さを痛感したのだ。
ケンカの経験もなく、腕っぷしも弱い。
そんな自分じゃ、いざという時ミズキを守れない。
そう思い、会員制スポーツクラブに入り、大学の授業がない夕方から夜の間、体を鍛えていた。
ナナセは人見知りな性格だったので、ジムに入会したのをキッカケに、それを克服したいという気持ちもあった。
ミズキを守れる立派な体格を得たいと思い、週に4~5日、ジムに通っている。
そこで同い年の女の子と知り合った。
その子の名前は、大垣アイリ(おおがき·あいり)。
ナナセは総合プログラムというメニューを選択していた。
そのメニューでは、水泳からボクシング、卓球、トレーニングマシンを使っての筋トレなど、あらゆるメニューを実行できる。
ナナセと同じ日に入会し、選んだメニューまで一緒だったのは大垣アイリだけだった。