しゃぼん玉

シュンの気持ちは、ナナセへの気遣いとミズキへの心配で揺れていたが、迷いを振り切るようにキリッと顔を引き締め、

「ミズキが元気ないのは穂積のせいもあるかもしんないけど、今日始まったことじゃない。

前からミズキは、おかしかった。

……お前、ちゃんとミズキの話聞いてあげてるの?」

「あ…………」

ナナセはシュンに指摘されて初めて、ミズキとのコミュニケーションについて振り返った。


ジムと大学で忙しかったナナセは、それを言い訳にミズキへの電話を減らしていた。

それについて深く追求してこないミズキの寛容さに、甘えていなかったといえば嘘になる。


「ジムに通って、ミズキちゃんを守れる男になりたくて……。

穂積さんがミズキちゃんを脅迫してきた時、情けないと思ったんだ。

お金を渡すことしか能のなかった自分が……」

ナナセは苦い表情をした。

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