しゃぼん玉


深夜1時を過ぎた頃、ミズキは自室のベッドで目を覚ました。

“そっか……。私、飲み会で気持ちが悪くなって、そのあとマナとシュン君に送ってもらったんだっけ……”

着替えもせず風呂にも入っていなかったことに気づき、ぼんやりした頭でゆっくりと起き上がる。

頬には涙が流れていた。

“また、リョウの夢見ちゃったよ……”


リョウが亡くなって以来、

ミズキは睡眠中、時々こうして、リョウの夢を見ることがあった。

リョウのことは一日たりとも忘れたことはないが、“忘れた頃”、リョウが夢に出てくるのだ。

点滅ライトのように、予想していなかった時にパッと、リョウが頭の中に現れる。


夢の内容を思い出した瞬間、ミズキは胸を圧迫する悲しみに襲われた。

夢の内容が悲しいのではない。

リョウが亡くなった時の痛みを、脳は日々“忘れて”いっているのだと思い知らされるようで、つらかった。

忘れたくはないのに……。

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