しゃぼん玉

他人の手紙から、そのやり取りの内容を把握(はあく)することは難しい。

この手紙を書いた人物は、誰とどういう経緯でこんなやり取りをしていたのだろう?

アイリには想像できなかった。

それでも、マサヤの浮気を否定、あるいは肯定する証拠を見つけたいがために、うなりながらもその手紙を読み終えた。


最初はわけのわからない手紙だと思っていたが、この手紙の内容は、無関係のアイリにもなぜだか胸に残るものがあった。

書き手の必死さや誠意が伝わってくる。

そんな感じの手紙だった。


最後まで読み終えたアイリは、文末にある《星崎リョウ》という名前を目にして、ミズキの顔を思い出した。

“ミズキちゃんと同じ苗字だ……。

すごい偶然”

ミズキとさきほど、赤外線通信でケータイの番号を交換したことを思い出しながら、手紙を元の位置に戻す。

勝手に読んだことがマサヤにバレないよう、見つけた時と同じ状態にしておいた。


ミズキとナナセを待たせて、早20分が経とうとしている。

アイリは急いで階段をかけ下りた。

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