しゃぼん玉
ナナセは、左手に握っているミズキの柔らかい手に、少しだけ力を加えた。
「『女の子と付き合ったことがないから、俺からは行けない』だなんて、言い訳でしかない。
そんなこと言ってたらダメだなって思った。
自分から手をつないだりとか、本当はすごく恥ずかしいけど……。
それでミズキちゃんが喜んでくれるのなら、できることから少しずつがんばりたいって思ったんだ」
ナナセの意思がミズキの心に大きく鳴り響いて、ミズキの頬は熱くなってしまった。
「私は、前までのナナセ君も好きだけど……。
今のナナセ君も、大好きだよっ!」
ナナセの努力が嬉しくて、ミズキはナナセの腕に抱きついた。
ジム通い。
きっかけは、どこにでも転がっている小さなものだった。
けれど、関わる世界が広がると同時に、今まで見えなかったものが見え、自分を大きく成長させてくれる。
ミズキとナナセはそんなことを思った。