しゃぼん玉
リクは悔し涙を流した。
「俺だって、助けてあげられるのなら助けてあげたかったよ。
でも……。子供だったし……。
今も、まだ高校生だし……。
もっと大人だったら、メイを助けられたかもって。
ウチの親が連絡して、メイを養護施設にいられるように手配してくれた。
けど、メイの母親は、虐待したことを認めはしなくて。
すぐにメイを連れ戻してた。
そして、虐待する。
その繰り返し……」
ミズキはその話に涙を流し、
「メイさんの父親は……?
母親が虐待してることに、全く気がついていなかったの?」
「はい……。
メイはなぜか、おじさんに助けを求めるようなことはしてませんでした……。
それに、『お父さんがいれば、お母さんのこと我慢できる』、って言ってて」
けれどメイは、だんだん家の中での出来事に耐えられなくなり、学校で鬱憤(うっぷん)を晴らすようになっていった。