しゃぼん玉

扉の向こうにいる宇都宮の表情。

それを見てメイは、水をかけられたように寒気を覚えた。

彼は、デジカメ片手に女子高生達の制服を脱がし、彼女達の上半身下着姿の写真や、スカートの中を撮影している。

その目は、恐ろしいほど卑猥(ひわい)な鋭さを放っていた。


女子高生達は、宇都宮に金を受け取りながら楽しそうに笑っている……。

彼女達が何をしているのか……。

メイは、今朝退学を言い渡されていたクラスメイトの存在をオーバーラップさせる。


その怪しい光景にめまいがして気持ちが悪くなったので、メイはそれ以上覗くのをやめ、フラフラした足腰で後退した。

ショックで体に力が入らない。

“あの人、弁護士じゃ、ない、の……?”


弁護士として、メイの話を親身に聞いてくれた宇都宮。

メイのグチを笑って聞いてくれた宇都宮。

メイの中にあった優しい彼の姿は、地面に投げつけられたガラスのように、過去の破片(はへん)となった。

そして、その破片は、メイの脳に、体に、そして心に、深く深く突き刺さる。

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