しゃぼん玉


ミズキ、ナナセ、シュン、マナ、リクは、宇都宮の名刺に書かれた住所を頼りに、弁護士事務所へ向かっていた。

ミズキとマナが先頭を歩き、その後ろにナナセ、シュン、リクが続く。


シュンは元気のないミズキの背中を見て、ナナセにこう耳打ちした。

「今日帰ったら、ミズキのこと抱きしめてやれよ」

「えっ!?」

ナナセは顔を真っ赤にし、両手で口元をおさえた。

「シュン、いきなり何言い出すのっ!?」

「何って、彼氏としての使命を口にしただけじゃん」

シュンは当然と言わんばかりにひょうひょうとしているが、ナナセは耳まで紅潮させている。

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