しゃぼん玉
次に、マサヤの言葉に答える女子生徒の声がした。
「えーマジでー!?
星崎ってメイのこと好きなのー?
キモー」
“星……崎……?”
アイリの頭の中に、ある文章が激流のように押し寄せた。
以前、マサヤの部屋で見つけた、意味のわからない手紙。
映像の中のマサヤは、その少年に「お前に、メイの手紙は渡さない」と言った。
“あの手紙って、まさか……!!”
それだけではなく、アイリは、この動画の中で涙を流している少年の顔にも見覚えがあった。
最近見たことのある、女性的な顔立ち。
吸い込まれそうな綺麗な瞳。薄い唇。
「星崎」という名字……。
“まさか、ね……?”
しかしアイリは、気がつくとマサヤの自宅を飛び出し、ミズキに電話をかけていた。
マサヤの部屋にあった星崎リョウの手紙と、マサヤのケータイを持ち出して。