黒猫独語
黒猫独語
 歩道の端っこを音も無く歩いている、黒い物体。

 人間の目にふれても、そこにいるものとして気にもとめられない。

 しかし今日は違った。制服を着た男子が一人と女子が二人、その存在に気づいたのだ。女子の一人が、目を奪われた。

 なんや、何見てん。

「ああーかぁわいぃー」
 
 こっち来た。撫でるんやろ。お見通しやぞ。

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