△~triangle~

「桜木さん!!」

その僕の呼び掛けに彼は歩く足を止めると……そっと僕を振り返る。

「私を恨んでいても構わない。しかし君が本当に向き合わなくてはならないのは……私ではないだろう?」

そう言って笑った彼の瞳は、凍り付く様に冷たく……そして鋭い。

「帰りなさい。ここは君の居場所ではない」

彼はそれだけ言うと、そのまま部屋から出て行った。
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