△~triangle~

『……おにい……ちゃん』

そう言って彼を呼びながらボロボロと涙を零す。

『どうしたの?また誰かに怒られたの?』

その彼の問いにブンブンと首を横に振ると、ギュっとバイオリンを抱き抱える。

すると彼は困った様に笑うと、ポンポンと優しく私の頭を撫でた。

その彼の温かな手の感触に癒されると共に、少しだけ……切なくなる。
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