△~triangle~
……彼はこの公園で仲良くなった男の子だった。
名前や年を聞いても何も教えてくれなかったけど、たまに公園で会えれば一緒に遊ぶ不思議な男の子。
それは幼い私の心に残る……初恋の人だった。
嫌な事があれば私はいつもこの公園に来て、そこに彼が居れば私はたちまち笑顔になれた。
練習が辛く逃げ出した時も、先生に怒られて泣いた日も、嬉しい事があった日も、何も無かった日にも……彼に会えれば私は幸せだった。
肩を震わせながら彼に起こった出来事をたどたどしい言葉で伝えると、彼は少し悲しそうに瞳を揺らし、優しく私の頭を撫でてくれる。