△~triangle~

『……どうして……バイオリンが弾けるの?』

彼の演奏に胸がドキドキと高鳴り、すでにさっきまで泣いていた事など完全に忘れ去っていた。

『ちょっと昔に……教えてもらったんだよ』

彼はそう言って悲しそうに笑うと、そっと私に向かってバイオリンを差し出した。

『今度は君が弾いて見せてよ』

彼はそう言うと、ニッコリと優しい笑みを浮かべる。
< 148 / 451 >

この作品をシェア

pagetop