△~triangle~
……ノラはとても優しい子。
それを僕は知っている。
それなのに僕は……この子を傷付けている。
それだからこそ僕は……この子が憎い。
……どうして……どうして……
割り切れない心に揺られながら、いつの間にか……泣いていた。
ボロボロと涙が頬を伝い、それは雨と交じり合い、地面へと落ちて行く。
何故流しているのかも理解出来ない僕の涙を、ノラは何も言わないまま見つめ……それからそっと、僕の頬に手を伸ばした。
ノラの微かに震える左手が僕の頬に触れ、それは優しく僕の涙を拭う。