△~triangle~

「……どうして君なの?……明も……バイオリンも……あの人も……全部、全部……君が……君が……」

それ以上、言葉は出て来なかった。

強くノラの肩を掴んだまま、彼女の流す悲しい雫を見つめる。

それはあまりにも稚拙で愚かな僕を責め立て、赦されない罪を僕に突き付けた。

これ以上、この子を傷付けたくない。

そう思うのと同時に、もっと傷付け、めちゃくちゃにしてやりたい。

そんな矛盾した感情がグルグルと僕の中を廻り続ける。

自分でも自分の心が理解出来なかった。
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