△~triangle~

「そうだね。ずっと……一緒だ」

その僕の呟きに色んな意味が含まれていると明は気付いた筈。

でも明はそれ以上何も言わないまま、清々しい笑みを浮かべて見せる。

憎くて愛しい……僕の弟。

そんな彼を真っ直ぐに見つめたまま笑みを返すと、ガチャリと玄関の扉の開く音がする。

「……ほら、帰ってきたぜ?」

そう言ってニヤリと笑った彼に同じ様に笑みを返すと、仄暗い闇の中から僕等を呼び起こしてくれた……そんな彼女の眩しい笑みが見えた。
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