ケンカ+理解×大好き=友情

ミサキは諦めたようにため息をつき、あっちゃんが同性の友達を作らない理由を尋ねた。

「あっちゃんって、男なのに男嫌いなの?」

「ミサキ、もういいじゃん」

あっちゃんの瞳に暗い影がさした気がした私はミサキを止めようとしたが、ミサキの質問攻撃はやまない。

「ま、私たちもあっちゃん以外の友達なんて大学にはいないから、人のこと言えないんだけどねー。

あっちゃんって友達多くても不思議じゃないからさ、何でかなーって」

あっちゃんはミサキの言葉に照れ笑いを浮かべ、遠くの空を見て言った。

「高校の時は友達いたよ。女の子ばっかだったけど。

女の子には安心できるっていうか、本当の自分を出しやすいんだけど、男に対してはそうできなくて。


……ウチの父さん、昔から借金ばかり作って母さんに苦労かけまくってんだ。

つらいの我慢して頑張ってる母さん見てたら、だんだん父さんに腹が立ってきて……。今は大嫌い」

あっちゃんちの親……特に母側の親戚はあっちゃんのお母さんに離婚を勧めてるらしいけど、いまだに二人が別れる気配はないらしい。

あっちゃんは妹と共にそんな両親を見て育つうちに、男性に対する不信感と苦手意識が芽生えたそうだ。

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