ケンカ+理解×大好き=友情

「ユナ……」

一気にまくし立てるミサキに同意を示すように、あっちゃんはユナちゃんの名を口にした。

ユナちゃんは内心舌打ちしているに違いない。

『チッ。最後の最後でミスったぜ……』

マナツもユナちゃんも、そんな顔つきをしてる。


マナツはともかく、ユナちゃんは女の子らしい女子代表みたいな容姿をしてる。

品行方正なお嬢様とは、こういう外見の子のことを言うんだろう。

そんな見た目に惑わされそうになったけど、私はこんな汚いことをする人を、今までに見たことがない。


ユナちゃんの本性を知って衝撃を受けた。

その度合いは、あっちゃんが受けたショックとは比べものにならないかもしれないけれど……。


あっちゃんは、うつむいたままのユナちゃんに、一歩一歩、近づいていく。

昇りたくもない階段を無理矢理登らされているような重たい足取りで……。


今までユナちゃんにされていたことをこんな形で知って、あっちゃんは悔しかったはずだ。悲しかったはずだ。

ユナちゃんを罵倒するのだろうか。

力一杯殴るのだろうか。

一生懸命みんなでかき集めて渡したお金を、全て返せと言うのだろうか。


温厚なあっちゃんでも、今だけは何をしても許されると思う……。

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