ケンカ+理解×大好き=友情
「ちょっ! あっちゃん!! 何やってんの!?
金返せ!くらい言ってやんなよ!!
その女は自分のことしか考えてない最悪なヤツじゃん!」
あっちゃんの行動に理解が追いつかないミサキは猛烈に怒った。
当然だ。私もミサキと同じことを感じたもん……。
あっちゃん、分かってるの??
ユナちゃんとその彼氏からお金を取られたんだよ!?
あっちゃんの家庭の事情を知っているクセに、その一途な気持ちに付け込んで利用して、用済みになったら使い捨てカイロのようにゴミ箱に放り込もうとしてたんだよ!?
悔しくないの?
悲しくないの?
あっちゃん……。
あっちゃんはユナちゃんを抱きしめた体勢のまま、首を横に振った。
「……ユナ。俺、怒ってないよ……。
ユナを失うのはつらいし、しばらく引きずるかもしんないけど、別れても恨みはしないから安心して?
謝ってくれなくてもいいし、お金も返さなくていい。
ただ、最後に一個だけ、言わせて……」
「…………なに?」
ユナちゃんが聞き返す。どんな感情がこもっているのか分からない声音で。
私とミサキだけではなくマナツでさえも、まるでドラマの中の重要なワンシーンを見逃すまいとする視聴者のように、あっちゃん達を見ていた。