ケンカ+理解×大好き=友情

あっちゃんは優しさと寂しさが混ざった口調でユナちゃんに言った。

「他の男に、二度と同じことしないって約束して。ユナの評判悪くなるの嫌だから、お願い……。

そしたら、俺はもう何も言わない」

「……うん」

「約束なっ」


ユナちゃんはウンと言ったけど、真意は分からない。

これからもあっちゃんのように純粋な心を持った誰かを騙すかもしれない。


「ユナと付き合えて嬉しかった。

短い間だったけど、ホントにありがとう。

ユナの彼氏でいる間、すっげー幸せだった」


どこの地方から来たのだろう。

派手な装飾をしたトラックが脇に通る車道を走り抜けた。

現実のにおいがする。

このトラックの速度より早く、あっちゃんの傷が癒えたらいいのに。

そう願うしかなかった。


「もう、学校ん中で会っても声かけない。

俺を振ったんだから、マナツと絶対、幸せになれよっ。

じゃなきゃ許さないから」

あっちゃんは、長年ユナちゃんのそばにいた大親友のような口ぶりでそう言い、ユナちゃんから離れたのだった。

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