ケンカ+理解×大好き=友情
「あれは本気の目だったね……」
ミサキがつぶやく。
お客さんを送り出した後、私たちは顔を見合わせた。
店内に流れる有線放送のおかげで、暗い雰囲気にならずに済んでる状態。
状況は変わってしまった。
ううん、私たちが楽観的過ぎたのかもしれない。
マナツはあっちゃんを敵視し、本気でユナちゃんを取り戻そうとしてる……。
「俺がアイツに金を渡せば……。
ユナは自由になれる……?」
長すぎる沈黙の後、あっちゃんはつぶやいた。
「今、マナツと話してみてわかった。
アイツは話し合いで納得するようなヤツじゃない。
……ユナを解放するためだ。
仲良い年上のイトコがいるから、その人に頼んで、金かしてもらう」
「えっ、ちょ! マジで!?」
ミサキが素っ頓狂な声を上げた。
「マナツもマナツだけど、あっちゃんもあっちゃんだよっ!
イトコも、そんなお願いされたら、あっちゃんのこと心配するんじゃない!?」
「……心配かけるかもしれない。
でも、このままマナツに付きまとわれたんじゃ、ユナが可哀相だから」
「そんな……」
ミサキとあっちゃんのやり取りを見ながら、私も思考を巡らせた。