ケンカ+理解×大好き=友情
それに加え、ミサキのスケジュールにも限界がある。
ミサキは日中、アイスクリームショップで夏限定のバイトをしてるから、昼間にもう1つ別のバイトをかけもつ時間が取れない。
私の貯金を何とかできないものかと思ったけど、通帳は全部お母さんが管理してるんだよね……。
20歳の成人式を迎えたら私に管理させるって言ってくれたけど、まだ18歳……。
あと何ヶ月待たなきゃいけないんだよって話だし……。
お母さんに電話して「私の貯金から、5万でいいから下ろしてくれない?」と頼んだら、「理由もないのにそんな大金、渡せないわよ」と、あっさり断られてしまった。
それを見ていたミサキが、
「私も貯金始めたくてバイトしたんだけど、バイト代入ると使っちゃうんだよね~。
こんなことになるって分かってたら、もっと考えて使えば良かった」
と、うなだれている。
「やばいね、やっぱりうちらにお金作るなんて無理なのかな……」
10万はでかすぎる。
悔しいけど、やっぱりあっちゃんのイトコに借りるしか、方法はないのかな……。
どんより落ち込む私の横で、ミサキが嬉々とした声を上げた。
「これならうちらでもいけるかも!」