ケンカ+理解×大好き=友情
……ん。あれ。
このまま引き下がっていいの?
なにか、大切なことを聞き逃してる気がする……。
――そうだ!!
お金!!
あっちゃんの話だと、ユナちゃんはマナツにお金を要求されてたんじゃなかった!?
今までのプレゼント代とか、おごった分返せってさ。
いまユナちゃんが話したことが本当なら、それもウソだったってことになる。
ユナちゃんはあっちゃんに黙ってマナツとも付き合ってたんだから……。
ユナちゃんは母親にすがる幼児のように、無垢(むく)な泣き顔で私を見つめてる。
『私が悪いって分かってます。でも、許して見逃してください』
顔にそう書いてあるように見える。
……私って嫌なヤツだろうか。
ユナちゃんの涙が《女の武器》に見えてしまう。
私の周りの女友達は、ミサキを含め、恋愛関係の悩みで泣く子が多い。
そういうのを女の武器と感じたことなんて、今までは一切なかった。
純粋で、恋する女の子の素直な涙だなと思って見てた。
だけど今は……。
「マナツさ、あっちゃんにお金もらってるよね?
それ、あっちゃんに返してあげてくんない?」
ウルウルと潤んだ瞳のユナちゃんに向かって、ハッキリそう言った。