ケンカ+理解×大好き=友情
ユナちゃんは心の底から訴えるかのように涙をこぼし始めた。
「アマネのこと、ちゃんと好きになろうって頑張りました。
好きになれるかもって瞬間もいっぱいありました……。
でも、アマネといてもマナツのことばかり考えてて……私……。
ナルミさんにとってアマネは大切な友達なのに、私のせいでアマネを傷つけるようなことして、本当にごめんなさい……」
ユナちゃんは途切れ途切れにそう言うと、嗚咽(おえつ)を我慢するように両手で口を押さえた。
私はユナちゃんみたいな立場になったことがないから、ユナちゃんの涙に込められた想い全部を推(お)しはかることができない。
なのに、ユナちゃんの言葉を聞いていたらなぜだか悲しくなって、これから3日以上は引きずりそうなくらい、ズッシリした何かが胸に重たくのしかかった。
ユナちゃんに対して消化しようのない不満が湧くし、あっちゃんのことを考えたらやる瀬ない。
だけど、それと同時に、いま目の前にいるユナちゃんの姿は真剣そのものだから、私はこれ以上、ユナちゃんの恋愛事情に口を出せなくなってしまった。
ユナちゃんは、これまで会ったことのない私に電話までしてきた。
ここまで走って来てくれた。
だから、もう、これ以上、ユナちゃんとあっちゃんの問題には関わったらダメなのかもしれない。
私にできるのは、あっちゃんがユナちゃんと別れたら、慰めること。それだけなんだ……。
それ以外のことは、したらダメだ。
私が絡んだら、あっちゃんとユナちゃんを余計に傷つけてしまうのかもしれない……。