キスはおとなの呼吸のように【完】
しんとしずまり返った真夜中の商店街を、千鳥足の大上先輩をつれて歩いた。

来年で三十歳になる既婚者の先輩は、おとなのくせにみっともないほど酔っている。

きっとどんなおとなでもこんな顔があるのだろうが、ふだんの先輩からは想像もできないようなおさない面が顔をだしているようだった。
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