キスはおとなの呼吸のように【完】
15.先輩とむかえた朝
ケータイのアラームが鳴ったのは、ぴったり五時だ。
うつらうつらしていたわたしは、その音にびっくりして飛び起きた。

カーテンのすきまからのぞく空はまだ暗い。
冬の夜明けはまだ先だが、時間どおりに始発だけは動きだす。

あれ以来、大上先輩はわたしのベッドで爆睡したままだ。
また寝ぼけて襲われても困る。
ケータイのアラームをとめ、わたしが起こそうか迷っていると、大上先輩が自発的に目を覚ました。
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