キスはおとなの呼吸のように【完】
わたしたちは時間とともにほんのちょっとだけ変わり、そしてなにも変わらずに、気づいたときには中途半端なおとなの道を歩いている。

あのころの初々しい感覚もいつしかうすれてしまっている。

慣れなんだっていえばそれまでだけれど、きっとそういうおさない心は階段のしたのほうにおいてきているだけかもしれない。

決して拾えない過去の忘れものとして。
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